本ブログ初の読書記録は、今年の九月に発売されたばかりのこの本、『ファンタジーの元ネタ超解説 神話と宗教の解体神書』(以下解体神書)です! 自分はAmazonで予約していたので発売されてすぐ届いたのですが、どうにも読書時間が取れず……読了したのは諸々がいったん片付いた11月ごろとなってしまいました。なおその間にも色々本を買っていたので、全く読むスピードと買うスピードが釣り合っていないという……いやあ末恐ろしい、なんなら金欠の原因のひとつでもありますからな!
まあそんな自分の懐事情はさておき、前もって言っておきますと、この本はとても良い本です。いやホントに、神話の入門書としては最高峰なのではないでしょうか。いうほど入門書読んだことないけど。それでも、入門書はこれで間違いないだろ! と読んでいて思わされました。自信をもって他人に勧められるとね。
長めの前置き(飛ばしてもよし!)
前入りはここいらにして、ではどういったところがよかったのか等、読書アフタートークといきたいところなんですが、その前に少し著者の方についてのお話を。この本の著者はしんりゅうさんという方で、いわゆる解説系Youtuberさんです。自分がこの方を知ったのは大体一年前、2023年の暮でしたね。ふとお勧めに出てきたのです。最初はふーんと思いながら見ていました。最初に見たのは確か、日本の謎の神の動画だったかな? 2024年11月現在で最も再生されている動画です。サムネにあった摩多羅神のワードに惹かれ、動画を再生しました。というのも、自分は摩多羅神に興味があり、関連する書籍を読んでいました。そこに関して話すと長くなるので割愛ですが、とにかく自分の興味関心と合致したのです。
正直なところ、最初はあまり期待していませんでした。というのも、YouTubeにある解説動画はクオリティが低かったり、明らかに調べてないだろうというものだったり、お世辞にもいいとは言えない動画が多かったのです。特に歴史分野はそんな感じでした。全部が全部ではないですが。そして何よりも看過できないのが、参考文献を載せていないというところにありました。動画のどこを見ても、概要欄にもコメント欄にも、何処にも載せていない。参考文献を明記する、というのは自身の調査、研究に対してある程度の信用を担保するということと同義です。それをしない、というのはハナから信用できない情報を提供しています、と言っているのに等しいのです。それでは研究対象に対して礼を欠いていますし、参考文献とその著者の方に対しても不誠実です。こういった方が多いので、基本的に解説動画は信用していません。
しかしこのしんりゅうさんは概要欄にしっかりと参考文献を記載していました。その上でとても良い解説動画だった。そのため、この人の解説動画は安心できると思い、1ファンとして楽しんでいました。こういった経緯があったので、今回の書籍の刊行は大いに喜び、楽しみにしていました。
とまあこういった流れがあったわけなのです。それはさておき、前置きはこのあたりにしておきましょう!
読書録
では読書記録へ参りましょう。この本は題の如く神話と宗教を扱っています。そして監修に沖田 瑞穂氏が参加しています。自分でも知ってるほど有名な人! そしてこの本では主にギリシア神話・北欧神話・インド神話・日本神話・エジプト神話・ユダヤ教・キリスト教・仏教を扱っています。それ以外の神話なども、その他の枠で書かれています。それ以外にも沖田 瑞穂氏のよるコラムやブックリストがあり、相当のボリュームがあります。ですが、実際読んでいくとそこまでのボリュームを感じさせない程読みやすいです。この読みやすさがおすすめポイント!
表紙からしてそうなのですが、この書籍は色遣いが明るいのです。学術書特有の真面目さというか、硬さが無い。それゆえ気軽にページを捲れるし、視覚的な楽しさを感じさせる。そして読みやすい理由はそれだけではありません、この本は様々なアニメやゲーム、マンガを引用しているというのも大きなポイントです。知ってる作品があれば自然と吸い込まれていきますし、その元ネタとなれば見入ってしまうのがオタクというもの。しかもページ構成が、左に関連する作品・右に神話解説と、見開きを一目見て把握できるのも大きな特徴で、ぱっと全体を見てから細部を読んでいくことにより、読書の負担が通常の活字のみの本より少ないのです(個人的に)。さらに章ごとに区切られているので、キリがいいところで中断もしやすい。凄く優しいつくりだなと、読んでいる時に思いました。
内容についてなのですが、これを流石に書くわけにはいきません。言う事があるとしたら、それぞれの神話のエピソードを抜粋、という形なので、原典の話を体系的に学べるわけではありません。まあ、それは専門書を買って読むべきであって、この本に求めることではないですけどね。個人的にわがままを言うのであれば、もう少しメソポタミア神話に枠が欲しかったなーというのと、密教をもう少し扱ってほしかったなーというくらいですね。ぶっちゃけ不満とかそういうのはないです。自分は神話とかあまり詳しくないので……。
詳しくないので、詳しくなりたい! そういった人向けに用意してくれているのがこの本の凄いところ、先にもちらりと述べた、ブックリストです。これがめちゃくちゃいい。それぞれの神話・宗教ごとにまとめられていて見やすく、著者から出版年まで記載されているので検索もしやすい。このブックリストを片手に図書館に行ってみればきっと有意義な時間を過ごせるでしょう。
最後に
とまあ、読書記録というよりレビューみたいになりましたが、ジャンル的に内容についてこう思ったとか述べるタイプではないですし、こんな感じで大丈夫でしょう、多分。こっから試行錯誤して、良い感じの読書録をつけていけたらいいなと思っています。
それでは、今回も相変わらず短いですがこのへんで。
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